

コロナ禍、著者のカナダでの闘病記が綴られています。
彼女の前向きな思考は、私たちに勇気を与えてくれるでしょう!
こんな人におすすめ!

①健康に関心のある方
②異文化交流に興味のある方
③生きる意味や人間の強さについて考えたい方
『くもをさがす』はカナダでがんと診断された著者の闘病記です。
著者が乳がん発覚から治療終了までの8ヶ月間が克明に描かれています。
カナダと日本の医療システムの違いや、著者の病気との向き合い方、周囲のサポートについて深く考えさせれました。

では、あらすじと、感想をご紹介していきます。
ぜひ、最後までお楽しみください!
『くもをさがす』あらすじ
28万部突破!
西 加奈子(著)
NHK「あさイチ」
テレビ朝日「アメトーーク!」
TBS系「王様のブランチ」
日本テレビ系「news every.」で紹介!
カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。
これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション
『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。
● 『くもをさがす』へ寄せられた声
思い通りにならないことと、幸せでいることは同時に成り立つと改めて教わったよう。
――ジェーン・スーさん(コラムニスト)
読みながらずっと泣きそうで、でも一滴も泣かなかった。そこにはあまりにもまっすぐな精神と肉体と視線があって、私はその神々しさにただ圧倒され続けていた。
西さんの生きる世界に生きているだけで、彼女と出会う前から、私はずっと救われていたに違いない。
――金原ひとみさん(作家)
剥き出しなのにつややかで、奪われているわけじゃなくて与えられているものを知らせてくれて、眩しかったです。関西弁のカナダ人たちも最高でした。
――ヒコロヒーさん(お笑い芸人)
読み終わり、静かに本を閉じても心がわさわさと迷う。
がんの闘病記という枠にはとてもおさまらず、目指す先はまったく別にあることに気づかされた一冊。幸せいっぱいのときに、それを失う恐怖心が同時に存在するパラドックスに気づくと、上手くいったとしてもイマイチでも、自分なりに納得できる瞬間の積み重ねが人生なのだとあらためて知る。
――高尾美穂さん(産婦人科医)
●『くもをさがす』読者は必読!
西加奈子の掌編「Crazy In Love」
(『私小説』金原ひとみ編著/河出書房新社刊 収録)
「Crazy In Love」は、「文藝」2022年秋季号、金原ひとみ責任編集「私小説」特集へ寄稿された、『くもをさがす』でも特に印象に残るエピソードを基に描かれた、切実さとユーモアが入り混じる掌編小説です。
同特集を新たに編み直し、2023年2月に刊行された単行本『私小説』収録の本作は『くもをさがす』読者必読です!
『くもをさがす』
河出書房新社
Amazon商品ページより
『くもをさがす』感想(ややネタバレ)

ここからは、内容に触れた感想をお伝えします。
ややネタバレOKな方や、読後の感想を共有したい方は、
ぜひお付き合いくださいませ。

西加奈子さんの強さと前向きな姿勢に感動
著者が乳がんと診断されて、コロナ禍、カナダで治療を受ける様子には勇気と希望を与えてくれました。
真面目に向き合う姿勢や積極的な治療への取り組みに、勇気をもらい病気や困難な状況に前向きに対処することの大切さを教えてくれました。
自分自身がおなじような状況に立たされた場合、どんな思考がめぐるか考えさせられます。
彼女が闘病中に経験した辛い状況や、家族や友人との関わりを通しても、彼女の強さが光り輝いていました。
救急でさえ待ち時間が長く、連絡が不明確であったり、責任を感じていないスタッフの態度にも不安を覚えました。
しかし、著者はこれらの状況を前向きに受け止めていました。
そうするしかなかったのかも知れませんが、本当に強い人ですね。
私なら自暴自棄に陥ったり、くじけてしまいそうです・・・
コロナ禍の心配や、身近な人たちの体調不良が重なっている中でも、彼女は立ち止まることなく前進し続けました。
そして、彼女は家族や友人からのサポートによっても支えられていました。
お互いに助け合う関係性が成り立っており、それが彼女の力となっていたのだと感じました。
このように助け合える関係性があることは、彼女が日頃からコミュニケーションをとり、自然に助け合って生きてきたからだと思います。
その関係性は本当に素敵でうらやましいです。
私も自分を助けてくれるであろう友人たちを思い浮かべることができ、つながりと支え合いの大切さを実感した一冊でした。
健康への感謝と自分自身の人生への気づき
著者の闘病の過程を経て、健康であることの尊さを再確認しました。
病気やがんになる可能性は誰にでもあることを思い知らされ、自分自身や身近な人との関わり方を深く考えさせられました。
彼女の体験を通じて、治療や医療システムについても具体的な情報を得ることができました。
海外の医療スタッフはがん患者を特別扱いせず、病気だからといって、好きなことを諦める必要はないという広い視野に触れることができました。
彼女の乳がん治療の方針や、心構えなどに触れることで、自分自身が同じような状況に立たされた場合にどう向き合うべきかを学びました。
そして、コミュニケーションや助け合いの大切さも再認識しました。
私たちは一人では生きていけない存在であると思うのです。
人とのつながりが私たちを支え、勇気づけてくれるということを実感しました。
私の経験からお伝えしたいこと
私もある部分を全摘した経験がありますが、当時1歳の娘の成長を見届けたい気持ちが強く、手術を即決しました。
もちろん、一部分がなくなることには違和感もありましたが、生きる喜びの方が断然大きいです。
今も娘の成長を見守ることの喜びは何ものにも変えられません。
後悔はありません。
どんなにつらい選択であっても、その先には素晴らしいものが待っているかもしれないと私は思います。
失去するものもあるかもしれませんが、その後に得るものの方が大切です。
自分の心に素直に従って、自分の幸せのために勇気を持って前へ進みたいですね。
人生は一度きりですから。
『くもをさがす』まとめ(ややネタバレ)

①カナダの医療システムや文化の違いに触れ、異文化交流の貴重な体験を得る。
②著者の治療に臨む決断力や強さに感銘を受け、自身が同じような状況に立たされた場合にどう振る舞うか、どんな思考が巡るか考えさせられる。
③乳がん治療の具体的な情報や心構えを得ることができ、前向きな姿勢に触発される。
④家族や友人たちのサポートの大切さを実感し、助け合いの関係性を育む意識を高める。
⑤人間の強さや優しさ、つながりの大切さを感じ、一人では生きていけない存在であることを再認識する。
『くもをさがす』は乳がんという病気に直面している人だけではなく、家族や友人、医療従事者など、関係する全ての人にとっても有益な情報を提供しています。
また、健康な人、がん罹患者でない人、乳がん以外の病気に苦しむ人たちにとっても、彼女の経験から得られる教訓は多いと言えます。

わたしたち読者に、勇気と希望を与えてくれる作品です。
ぜひ、『くもをさがす』を手に取り、
著者の闘いと自身の人生に寄り添ってみてください。

新たな気づきや感動が待っているはずです。
おすすめです!
西 加奈子さんのプロフィール
西 加奈子(にし・かなこ)
西 加奈子(著)
一九七七年、イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪で育つ。二〇〇四年に『あおい』 でデビュー。〇七年『通天閣』で織田作之助賞を受賞。一三年『ふわらい』で河合隼雄物語賞受賞。一五年『サラバ!』で直木賞を受賞。ほか著書に『さくら』『円卓』『漁港の肉子ちゃん』『ふる』『i』『おまじない』『夜が明ける』など。
『くもをさがす』
河出書房新社より
西 加奈子さんの代表作

肯定感をもたらす作品を多く執筆し、
わたしたち読者に勇気を与える心温まるエピソードが特徴です。

代表作のあらすじをご紹介していきます。
Amazonプライムビデオ対応の作品についてはリンクをはっておきますね。
西 加奈子(著)『サラバ!』上中下
第152回直木賞受賞作、待望の電子化!『サラバ』上・中・下合本版!!
僕はこの世界に左足から登場した――。
西 加奈子(著)
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。
そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
『サラバ!上中下』
小学館文庫
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『さくら』
累計55万部突破! 2020年11月公開
両親、三兄弟の家族に、見つけてきたときに尻尾に桜の花びらをつけていたことから「サクラ」となづけられた犬が一匹。どこにでもいそうな家族に、大きな出来事が起こる。そして一家の愛犬・サクラが倒れた–。
ヒーローだった兄ちゃんは、20歳4か月で死んだ。超美形の妹は、内に籠もった。母も肥満化し、酒に溺れた。僕も東京の大学に入った。あとは、「サクラ」となづけられた犬が一匹――。そんなある年の暮れ。家を出ていた父が戻ってきた…。
西 加奈子(著)
『さくら』
小学館文庫
Amazon商品ページより
※Amazonプライムビデオチャンネルで視聴可能(レンタル、購入)
西 加奈子(著)『きいろいゾウ』
宮崎あおい×向井理主演映画化原作
夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会からやってきた若夫婦が、田舎暮らしを始める。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは背中の大きな鳥に纏わる出来事に導かれてのものだった。
「いつかこの小説のツマを演じてみたいです」という帯コメントを寄せいただいた宮崎あおいさん、雑誌「ダ・ヴィンチ」でのオススメの一冊として紹介していただいた向井理さんの二人が主演となる映画化も決定(2013年公開予定)。【編集担当からのおすすめ情報】
西 加奈子(著)
ともに原作のファンという、宮崎あおいさん×向井理さん主演で映画化が決定しました!2013年公開予定です。
『きいろいゾウ』
小学館文庫
Amazon商品ページより
※Amazonプライムビデオチャンネルで視聴可能(レンタル、購入)
西 加奈子(著)『漁港の肉子ちゃん』
北の港町。焼肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていてとても明るい。キクりんは、そんなお母さんが最近恥ずかしい。肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描いた、勇気をくれる傑作。
西 加奈子(著)
『漁港の肉子ちゃん』
幻冬舎
Amazon商品ページより
※この作品はAmazonプライム会員なら無料でみられます!
西 加奈子(著)『おまじない』
西加奈子作品史上最も”刺さる”珠玉の短編集 待望の文庫化! 【西加奈子×長濱ねる 特別対談収録】
西 加奈子(著)
悩んだり傷ついたりしながらも生きていく、すべての人にそっと寄り添う8編。
みんな頑張ってる。
みんな本当に、充分、頑張ってる。 ――西加奈子
長濱ねるさん絶賛!
「何回読んでも、自分にとってのヒントやおまもりになる言葉が見つかる魔法の本です。」
『おまじない』
筑摩書房
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『円卓』
公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。
西 加奈子(著)
『円卓』
文藝春秋
Amazon商品ページより
※Amazonプライムビデオチャンネルで視聴可能(レンタル、購入)
西 加奈子(著)『ふくわらい』
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、
西 加奈子(著)
書籍編集者の鳴木戸定。
彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、
誰もが目を覆うような特異な体験をした。
その時から彼女は、
世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。
愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、
愛を語ってくる盲目の男性や、
必死に自分を表現するロートル・レスラーとの触れ合いの中で、
自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。
第1回河合隼雄物語賞受賞作。「キノベス! 2013」1位。
『ふくわらい』
朝日新聞出版
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『 i 』
アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。
内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。
なのに、自分は恵まれた生活を送っている。
そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。
けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける――
たとえ理解できなくても、愛することはできる。
世界を変えられないとしても、想うことはできる。
西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。
累計21万部!巻末に又吉直樹氏との対談を収録残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が、与えてくれました。――又吉直樹
読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。――中村文則
西 加奈子(著)
『i』
ポプラ社
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『きりこについて』
きりこは「ぶす」な女の子。小学校の体育館裏で、人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。
西 加奈子(著)
『きりこについて』
角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『うつくしい人』
他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書館で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた-。
西 加奈子(著)
『うつくしい人』
幻冬舎
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『あおい』
27才スナック勤務の「あたし」と、おなかにへたくそな地図を彫っている3才年下のダメ学生・カザマくんは同棲して4か月。ゆったりとしたリズムにどっぷりと浸かった生活をしていた「あたし」は、ある日、妊娠していることに気づく。そして、気がつけば、長野のペンションへの短期バイトを決め、そのバイト先からも逃げ出し、深夜、山のなかで大の字になって寝っころがってしまう。そのとき、「あたし」の視野に、あるものが飛び込んでくる。
西 加奈子(著)
『あおい』
小学館文庫
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『白いしるい』
ふたりでは、会わないようにしていた。
好きすぎて、怖いくらいの恋に落ちた。でも彼はけして私だけのものにはならなくて……ひりつく記憶を引きずり出す、超全身恋愛小説。
女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった――。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。
西 加奈子(著)
『白いしるい』
新潮社
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『舞台』
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――。
太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に–。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編!
西 加奈子(著)
『舞台』
講談社
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『夜が明ける』
直木賞受賞作『サラバ』から7年、本屋大賞第7位『i』から5年。西加奈子が悩み苦しみ抜き、全力で書き尽くした渾身の作品『夜が明ける』が、10月20日、ついに刊行。
西 加奈子(著)
「当事者ではない自分が書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、それでも社会の一員として、作家のエゴとして書き抜いた本作は、著名人、書店員をはじめ、多くの人の心を揺さぶる救済と再生の感動作。
【著名人の皆さんから感動コメント】
小泉今日子さん (俳優)
今、 社会の中で、 気付かなくちゃ、
感じなくちゃいけないことがきっちり書いてある。
是枝裕和さん (映画監督)
読んでいる間中、 自分も主人公と同じように経験した「痛み」が胸にこみ上げ
息が苦しくなった。 これが小説であることをしばしば忘れ、
その度に本を閉じたが、 読み終わったときに感じたものは「希望」に近い何かだった。
「幸福」とも「解放」とも違う、 何かだった。
仲野太賀さん (俳優)
息を殺しながら生きなくてもいいように、
誰かの心が壊れないように、
この物語が生まれたんだと思う。
二階堂ふみさん (女優)
ページを捲る度に、 五感が研ぎ澄まされる。
匂い、 味、 温度、 小さな痛み。
この国に、 アキはどれほどいるのだろう。
人間は脆く、 そして哀しい。
どこまでも、 哀しい。
だからこそ”優しさ”の奇跡が生まれるのだと、 西先生の綴る文章から感じました。
これは遠い誰かの話では無く、 間違いなく”我々の話”であると思います。
【あらすじ】
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった……。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。
『夜が明ける』
新潮社
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『ふる』
誰にも嫌われないことに全力をそそぐ、28歳の花しす。だがそんな彼女に訪れる変化とは…。日常の奇跡を祝福する「いのち」の物語。
西 加奈子(著)
『ふる』
河出書房新社
Amazon商品ページより
西 加奈子(著)『まにまに』
私って、生きてきたんだなぁ。
嬉しくても悲しくても感動しても頭にきても泣けてくるという、喜怒哀楽に満ちた日常、愛する音楽・本への尽きない思い。『サラバ!』『まく子』『きいろいゾウ』などの小説で多くの人に「信じる勇気」を与えてきた西加奈子のエッセイが詰まった一冊。解説:小林エリカ
西 加奈子(著)
『まにまに』
KADOKAWA
Amazon商品ページより

ここまで読書好き主婦「ちみるのひとりごと」に
おつきあいいただきありがとうございました。

また素敵な作品を見つけましたらお伝えしますね。
それではまた、お会いしましょう!