
こんにちは。読書好き主婦ちみるです。
今回ご紹介する本は赤羽じゅんこさんの『ひと箱本屋とひみつの友達』です。

この本は児童書で、高学年向け。
主人公は小学5年生の朱莉ちゃん。
同世代の理々亜ちゃんと出会い、二人は友情を深めていくよ。
理々亜ちゃんとの出会いによって、朱莉ちゃんはあることの大切さにについて学びながら成長する様子が描かれています。
児童書ですが、大人でも非常に共感できる感動作ですよ!

では、あらすじと感想をご紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
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あらすじ
小学5年生の朱莉は、ふとしたきっかけで、ひと箱本屋カフェ「SHIORI」を訪れ、
そこで売られていた一冊の手作りの本に、心をうばわれる。
作者は同世代の女の子・理々亜。
二人はある日、「SHIORI」ではじめて会うことになり……。ほんとうの友だちとは? ほんとうに自分らしいとは?
赤羽じゅんこ(作)
たどりついた、朱莉の気持ちとは――。
はらぐちあつこ(絵)
『ひと箱本屋とひみつの友だち』
さ・え・ら書房
Amazon商品ページより
感想

内容にやや踏み込んだ感想となります。
良かったらお付き合いください。
魅力1(ネタバレ)
カフェ兼シェア型本屋が舞台になっているところ
最近人気があるシェア型本屋では、個々のオーナーが自分の好きな本を売るための棚を持ち、多様な本屋が集まることで魅力的な空間が生まれます。
このストーリーでは、カフェ「SHIORI」内にシェア型本屋があり、そこで小学生の理々亜ちゃんが自作本を販売するために棚を借りています。
理々亜ちゃんは自分の才能を活かし、クリエイティブな本を興味を持った人たちに販売しています。

エピローグのあとに、自作本が掲載されていて、実際に読むことができるよ!
割り当てられたスペースには個性的なデコレーションが施され、オリジナルな作品や、他の作家さんの本が展示販売されます。
価格についても自分自身で決めることができます。
ここは、カフェでのんびりと過ごしながら、本を愛する人々が集まり、情報を共有し合える場所です。
さらに、作家志望の理々亜ちゃんの夢を支える環境ともなっています。

自分の実力を試す場所があるのはいいね!

シェア型本屋の経営は困難とよく聞きますが、
本好きなら一度挑戦してみたいと思わせる魅力がありますよね。
魅力2(ネタバレ)
障害者の視点や感情がとても心に響くところ
私たちは思いやりを示すために手を差し伸べることがありますが、相手にとっては気を使われたり、特別扱いされているように感じたりすることがあるようです。
この作品では、車椅子に乗った理々亜ちゃんの視点を通じて、そのような思いを深く理解しました。
彼女は助けを必要としていながらも、障害者であることを理由に特別扱いされることを嫌っています。
自分で何でもやりたいという自立心が強く、常に人の助けを求めているわけではないことを理解してもらいたいと思っているようです。

私は自身の思いやりの考え方を見直すきっかけを与えられ、障害者の気持ちを理解する貴重な経験をしたと感じました。

この作品は、とても魅力的な要素を持っているよ!
魅力3(ネタバレ)
バリアフリーの大切さに触れているところ
理々亜ちゃんの車椅子生活によって、彼女が通常の生活を送るために直面する困難な状況が描かれています。
障害者にとって、普通の人が当たり前と思っていることが実際には困難である場合もあります。
このストーリーでは、バリアフリーの整備や配慮の大切さが浮かび上がります。
身体的なバリアを取り除くだけでなく、心理的なバリアも取り払うことが、求められているように感じます。
さらに、共感や思考を促す要素がたくさん含まれています。
それにより、自分自身や、周りの人々との関係、社会の問題について考えることができると思います。
まとめ(ネタバレ)

『ひと箱本屋とひみつの友達』は、子供たちに優しさや思いやりを育む素晴らしい物語です。
障害者に対する偏見や差別、バリアフリーの大切さ、思いやりや理解について考えるきっかけをあたえてくれます。
シェア型本屋の魅力や、本がもたらす力についても、興味深く描かれています。
また、多様性や共生の大切さが強調されていました。
障害者との交流や、バリアフリーの推進によって、社会全体の豊かさや共感を広げることを、著者は訴えているのかもしれません。
子供たちは差別意識を持たず、一人ひとりが、自分らしく生きることを尊重する大切さを学ぶことができると思います。

この児童書は、子供だけでなく、大人の心にも響く深みがあるよ!
ぜひ読んでみてください!
おすすめです!

ここまで読書好き主婦「ちみるのひとりごと」におつきあいいただきありがとうございました。
また素敵な作品に出会えましたらご紹介しますね。
ではまた。
赤羽じゅんこさんのプロフィール
赤羽じゅんこ
東京都在住。『がむしゃら落語』(福音館書店)で、第61回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と四人の深呼吸』(さ・え・ら書房/共著)で第4回児童ペン賞企画賞を受賞。
近著に『ひょうたん池の怪魚?』(講談社)、『ちょっとねがっただけ』(国土社)、『AIマスクはいかがですか?』(フレーベル館)など。日本児童文学者協会常任理事。
赤羽じゅんこ(作)
はらぐちあつこ(絵)
『ひと箱本屋とひみつの友だち』
さ・え・ら書房より