垣谷美雨さん 【おすすめ小説 !】『あなたの人生、片づけます』（感想）これを読めば あなたも無性に片付けしたくなる!!

50代の片付け屋、十萬里とまりさんを主人公とする連作短編小説です。

彼女はお掃除を手伝うのではなく、片付けができるように導くアドバイザーとしての役割を果たします。

部屋の状態は人の心の中の現れだとききます。

なぜその状態になってしまったのか、それは、対象者の心の問題に関連しています。

十萬里さんは、対象者の心の問題に寄り添いながら、原因を探り出す人生のお掃除屋さんとして活躍します！

感想

汚部屋(ネタバレ)

汚部屋の持ち主は、片付けをしたい気持ちを抱きつつも、なかなか実行に移せず、結果的にプチゴミ屋敷状態に。

そこで、対象者の家族は心配し、プロのお掃除屋に片付けを依頼します。

しかし、汚部屋の持ち主は、自分の部屋を赤の他人に見られることに、不快感を覚えます。

特に、片付け屋の十萬里とまりさんは容赦ない性格であり、ズバズバと失礼なことも言ってしまうタイプです。

対象者たちは心の中で毒づきながら、十萬里とまりさんに早く帰ってもらいたいというウンザリとした態度を示します。

十萬里さんの印象(ネタバレ)

「きれいすぎる部屋」ケース４(ネタバレ)

「きれいすぎる部屋」というおはなし。

本来は汚い部屋を、綺麗にすることを目的とした仕事ですが、この物語では「きれいすぎる部屋」が描かれていることに深い意味が込められていました。

同じ母親として、重さを感じた内容でした･･･

「あなたにわたしの気持ちがわかってたまるものですか」

と低い声で言った。

垣谷美雨（著）
『あなたの人生、片づけます』
双葉文庫
本文より

というセリフ。

この言葉に私も心が痛みました。

苦しみを理解しようと心から願っても、本当にその気持ちを共有することは難しいです。

難題に直面した時、十萬里とまりさんはどのように接して良いのか戸惑いました。

解決が難しそうで、結局は無理だと諦めかけましたが、十萬里とまりさんが持つアイデアに驚かされました。

ご自分の実体験で得た知識と、絶えず模索し続ける姿勢が、解決策を見つけ出す方向に繋がっていくのです･･･

ケース4だけ 十萬里さん視点で進行(ネタバレ)

ケース4のお話だけ、十萬里とまりさんの視点から描かれており、彼女の心の声が聞けることに心躍ります！

塩対応の理由や、本来の性格が明らかになっていく過程で、これまで抱いていた彼女に対する誤解が一つずつ解けていきます。

内面の複雑さや、深みに触れることで、十萬里とまりさんの魅力に引き込まれていくはずです！

刺さった言葉(ネタバレ)

「本当だ。お前はきっと何かを成し遂げる人間だ。ワシにはわかる」

垣谷美雨（著）
『あなたの人生、片づけます』
双葉文庫 本文より　

心にグサッと刺さりました！

言葉の力は本当に偉大ですよね。

我が子には自己肯定感を高め、強く生きていって欲しい。

この言葉は、いつか役立つ時が来るまで、大切に保管しておきたいと思います。

まとめ

これを読んで、我が家もすっかり片づけたくなりました！

きっと心のわだかまりも解消され、生活も好転していくことでしょう。