
こんにちは。
読書好き主婦ちみるです!
この記事では、私が今月読んだ本の中から特にオススメの5冊をご紹介していきます。
是非一読して、新しい本との出会いをお楽しみください!
今月読んだ本の中から
オススメしたい5冊!
(2025年7月)
①『宮廷医の娘』
冬馬倫(著)

宮廷医の娘 (メディアワークス文庫)
☆シリーズ1巻目!
☆ライトノベル・中華医療譚
☆イラスト しのとうこ
☆デザイン 成見紀子
☆中華医療譚
☆由緒正しい宮廷医の娘・陽香蘭が、闇医者・白蓮との出会いを通じて成長し、医療の本質を追求する姿が描かれた中華医療譚。
☆頼もしい、思いやり、恋愛要素、イケメン、美形、クスッと笑える、読みやすい、ハラハラ・ドキドキ、共感する、心打たれる、切ない、不快感、謎解き、心の傷、もどかしい
(あらすじ)
由緒正しい宮廷医の家系に生まれた陽香蘭は、医者としての成長を目指して奮闘していた。
そんな彼女が出会うのは、法外な高額治療費を請求するので評判の闇医者・白蓮。
改心を促すべく彼の診療所に訪れた香蘭だが、白蓮の驚くべき治療技術に圧倒される。
強引に弟子入りした香蘭は、彼との衝突や、さまざまな問題を乗り越えながら、真の医療を追い求めていくことに…
(主な登場人物の魅力)
・陽香蘭
16歳の少女で、由緒ある宮廷医の家に生まれた。
祖父や父が宮廷医として名高い中、香蘭も同じ道を志して勉強に励んでいる。
地味な服装をしているものの、実は美しい娘。
香蘭は「医は仁だ」という信念を持ち、白蓮の高い技術には感心しているが、彼の人柄には疑問を抱いている。
また、国家試験に不合格になってしまった香蘭は、尊敬する父祖の名を汚さないよう、一生懸命に努力を続けている。
・白蓮
法外な治療費を請求するという厳しい姿勢の医者だ。
しかし、その腕前は素晴らしく、誰もがその技術に驚いている。
初対面でありながら、香蘭の素性をすぐに見抜く洞察力を持っている。
立派な体躯でありながら、繊細さも感じさせる美丈夫だ。
医療に仁などは必要ないと考え、病を治すことだけが自分の仕事だと思っている。
(舞台と世界観)
物語の舞台は中華風の王朝時代で、主人公は由緒ある宮廷医の家に生まれた陽香蘭だ。
香蘭は法外な治療費を請求する闇医者・白蓮と出会い、医療の本質を探求していく。
香蘭は祖父や父のような名医を目指して努力するが、白蓮との衝突を通じてさまざまな問題に直面する。
この中華医療譚は心温まる成長物語である。
(ページをめくりたくなる展開)
主人公の香蘭は、由緒正しい宮廷医の家に生まれた娘だ。
香蘭は、医療を通じて、患者の心を大切にし、思いやりを持って接することを重視している。
そんな香蘭が出会ったのは、腕は確かだけど高額請求が目立つ白蓮だ。
この二人の出会いから、物語は一気に面白くなってくる。
香蘭は医療への情熱が強く、白蓮の素晴らしい治療技術を学ぼうと弟子になると決める。
二人は考え方が全く異なり、衝突しながら、それぞれの方法で問題を解決しようとするが、物語は、予想できない展開が続いていき、ハラハラ・ドキドキが止まらない。
しかし、どんな状況でも、香蘭はいつも冷静で頼もしいキャラクターだから安心して読めるところも魅力のひとつだ。
香蘭の成長や、白蓮との関係がどう変わっていくのかは、とてもわくわくするはず。
そして香蘭が、一生懸命物事に取り組む姿はとても魅力的で、思わず応援したくなるだろう。
(ひとこと)
👧病気を治したい、苦しい状況から少しでも解放されたいと、医者に治療をお願いするのは自然なことですよね。
しかし、治療費が高くて支払いができないとなると、どうしても諦めなければならなくなります。
香蘭のように、まだ治療の技術が未熟でも、心に寄り添ってくれる医者の優しさがあれば、一時的には楽になれるかもしれませんが、根本的な解決にはならないのが現実です。
だからこそ、香蘭にはぜひ修行を続けてもらい、技術と優しさの両方を持った医者に早く成長してほしいと思います。
彼女は賢く、勘も鋭いので、これからの成長を期待しています!
全体を通して、心温まる成長物語でした。
香蘭と白蓮の関係にも、今後注目していきたいです。
・KADOKAWA・メディアワークス文庫
・電子書籍(Kindle版) 247ページ (2020/4/25発売)
・文庫本 304ページ (2020/4/25発売)
②『正義の申し子』
染井為人(著)

正義の申し子 (角川文庫)
☆サスペンス
☆引きこもりの青年が告発系YouTuberとして悪徳業者と対決するユーモラスでスリリングな物語。
☆ハラハラ・ドキドキ、暴力描写あり、クスッと笑える、社会問題、引き込まれる、読みやすい、共感する、ためになる、心温まる、恋愛要素、切ない、不快感、頼もしい、不安、スリリング、思いやり、イケメン、心の闇、ワクワク、謎解き要素、恐怖、怒りがわく、現実とリンク、紳士的だ、友情
(あらすじ)
主人公の純は、引きこもり生活を送っている19歳の青年だ。
そして、彼は「ジョン」という人気の告発系YouTuberでもある。
ある日、悪徳業者に電話をかけてからかう動画をアップすると、大好評を得た。
特に、特徴的な関西弁を話す男を懲らしめた動画は、驚くほど再生数が伸びた。
ジョンはその成功に味をしめて、その男とリアルに会って対決し、それを配信する計画を立てる。
しかし、請求業者の相手も、ジョンを捕まえようと動き出し・・・
(主な登場人物の魅力)
・佐藤純
主人公・通称ジョンは19歳の青年。
普段は人と目を合わせるのも苦手な引きこもりだけれど、タイガーマスクをかぶるとまるで別人になる。
告発系YouTuberで、常にハッピーでユーモラスな一面を見せるのが特徴だ。
彼のチャンネルはフォロワーが50万人を超え、大金を稼いでいるため、自分は勝ち組だと思っている。
正義感にあふれ、引きこもりの青年がマスクを通して見せるユーモアたっぷりの姿に、きっと引き込まれるだろう。
・栗山鉄平
21歳の長身イケメン。
関西弁で話し、あるサイトの利用者に架空請求をする悪徳業者として活動している。
元暴走族でホスト経験もある。
頭はあまり良くない。しかし、腕っぷしには自信がある。
家庭環境は複雑で、母親は常に息子よりも男性を優先してしまうため、鉄平は寂しさを抱えている。
彼の葛藤や人間関係に共感する読者も多いだろう。
(舞台と世界観)
舞台は、現代の日本。
YouTubeなどのSNSが発達したこの時代、悪徳業者が闊歩する中で、主人公が正義を貫こうとする姿が描かれている。
リアルな社会問題を背景にしつつ、ユーモアも交えたストーリー展開が魅力的。
(ページをめくりたくなる展開)
フォロワー数50万人を超えた告発系YouTuberのジョンは、架空請求を行う悪徳業者・鉄平と対決する。
ジョンは詐欺に引っかかったふりをして、気弱な青年を演じるが、最終的にはその仕掛けを明かして相手をやっつけるのが狙いだ。
そして、これがYouTubeで世界中に配信されていることを、鉄平は知らずにいる。
ジョンがどんな作戦を立て、どんな結果になるのか、心をわくわくさせ、ページをめくりたくなるだろう。
鉄平の本性が見え始めると、やばい雰囲気が漂うが、ジョンは正義の味方として鉄平の悪事を暴き、彼をこけおとす様子は非常に面白い。
ジョンの言動はかなり過激で、このまま無事でいられるのか心配になる瞬間も多い。これからトラブルに巻き込まれるのか、彼は無事に過ごせるのか?その緊張感がストーリーを更に面白くしている。
先の展開が気になりすぎて、ページをめくる手が止まらなくなるだろう!
ぜひ、読んでみてほしい!
(ひとこと)
👧染井さんの作品は、恋愛面では切なさが残ることが、多い気がします。
日常にはさまざまな手口で近づいてくる詐欺事件があふれていますよね。
この作品を読んで、情報に注意を払い、いつも疑いの目を持って気をつけるべきだと再確認しました!
・KADOKAWA
・電子書籍(Kindle版) 353ページ (2021/8/24発売)
・単行本 328ページ(2018/7/27発売)
・文庫本 384ページ (2021/8/24発売)
・オーディオブック(Audible版)11時間13分 ナレーター(大久保 多聞) (2024/5/17配信)※Audible会員は定額聴き放題
こちらもオススメ!
染井為人さんによる『悪い夏』もオススメ!
生活保護制度の裏側が描かれた緊迫感あふれるサスペンス!
社会問題や人間の欲望を考えさせられる一冊です。
③『命の砦』夏川草介(著)

命の砦 臨床の砦 (小学館文庫)
☆「臨床の砦」の続編
☆文庫版の「レッドゾーン」を改題したもの
☆カバーデザイン 山田満明
☆カバーイラスト 石居麻耶
☆医療小説
☆著者の実体験をもとに、コロナ禍の中で懸命に闘う医療従事者たちの勇気と苦悩がリアルに描かれた物語。
私たちの命を守るために尽力する医療従事者の姿から、命の重みを改めて考えさせられる心に響く一冊!
☆医療系、自伝的な要素、感謝、引き込まれる、読みやすい、共感する、ハラハラ・ドキドキ、心打たれる、ためになる、応援したくなる、考えさせられる、頼もしい、不安、クスッと笑える、幸福感、戦い、思いやり、衝撃的、希望がわく、忍耐、現実とリンク、尊敬、社会問題、勇気が湧く、心震える
(あらすじ)
長野県の信濃山病院で、消化器内科医の敷島寛治は、コロナウイルスの感染拡大が始まる中、病院での闘いに身を投じる。
令和二年二月、南郷院長の指導のもと、この小さな病院は横浜港に停泊する大型クルーズ船からコロナ患者を受け入れることを決定する。
しかし、その決断には多くの試練が待ち受けていて…
(主な登場人物の魅力と特徴)
・敷島寛治
消化器内科医。
コロナ診療チームの一人。
コロナウイルスの感染拡大と立ち向かう。
熱い性格を持ち、心に深い使命感を抱いている。
・日進義信
肝臓内科医。
コロナ診療チームの一人。
肥満体型で、毒舌。
皮肉屋日進とあだ名がついているとか。
・三笠
内科部長。
突き進む性格を持ち、コロナ診療チームを引っ張る存在。
(舞台と世界観)
舞台は、長野県の信濃山病院という小さな地域病院だ。
この病院は、コロナウイルスが流行し始めた時期に、横浜港に停泊する大型クルーズ船からコロナ患者を受け入れる決断をする。
医療リソースが限られた環境で、消化器内科医の敷島寛治をはじめとする医師たちは、未知のウイルスに立ち向かうために奮闘する。
彼らは人手不足や緊急事態宣言という現実と向き合いながら、患者の命を守るために懸命に働く。
医療現場の厳しさや、それに立ち向かう人々の勇気が描かれていて、コロナ禍の中での医療従事者の姿をリアルに体験できる、心に響く物語。
(ページをめくりたくなる展開)
現役の医師が新型コロナウイルスが流行し始めた頃の医療現場を実体験をもとに描かれたストーリーはとてもリアルだった。
医療従事者の視点からの苦悩や恐怖が生々しく描かれていて、死を恐れる人々の本性についても考えさせられる。
感染者が増え続ける中、医療現場は次第に逼迫していき、この作品の病院では、どのような対応が求められるのだろうか?
人員不足が明らかになっているけれど、協力してくれる人はいるのだろうか?
コロナ禍の医療現場の厳しい状況を感じながらも、物語の先が気になり、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなし!
(ひとこと)
👧コロナの緊急事態宣言やワクチン接種についての出来事が、まるで昨日のことのように感じますが、もうかなりの時間が経ちましたね。
根本的には解決していないはずですが、今では、もしコロナにかかってもなんとかなるという少し楽観的な気持ちに変わりつつあります。
しかし、あの頃は、未知のウィルスへの不安や制限からの閉塞感、未来への恐怖でいっぱいでした。
医療従事者の方々は手探りの中、懸命に尽力してくれていました。
どの病院でも治療を行っていると思っていたのですが、実際には限られた場所だったことには今さらですが驚きました。
防護服を着てマスクで顔を覆い、治療法がまだわからない中で、多くの人が命を失っていく様子を見ながら、まさに「明日は我が身」と感じていたことでしょう。
それでも命を守るために現場で戦ってくれた医療従事者の方々には感謝の気持ちが尽きません。
この作品を通じて、あの頃の思いが蘇り、さまざまなことを考えさせられました。
幸運にも今回は乗り越えられましたが、次に起こった場合はどうなるかは分かりません…
生きること自体が本当に奇跡だと感じ、人類の知恵や行動力に勇気づけられた気がします。
・小学館
・電子書籍(Kindle版) 315ページ (2024/11/6発売)
・ペーパーバック 400ページ(2024/11/6発売)
・オーディオブック(Audible版)11時間04分 ナレーター( 岩崎 了) (2025/6/20配信)Audible Studios制作
※Audible会員は定額聴き放題
こちらもオススメ!
夏川草介さんによる『スピノザの診療室』もオススメです!
2024年の本屋大賞第4位受賞作!
終末医療に真摯に向き合う、マチ先生の姿を通じて、生きる意味や人間の尊厳について考えさせられると同時に、医療現場の温かい人間関係が描かれていて、心に響く感動の物語です!
➃『逆転正義』
下村敦史(著)

逆転正義 (幻冬舎文庫)
☆全6編からなる短編ミステリ
☆ブックデザイン 鈴木成一デザイン室
☆正義の意味を問い直す短編ミステリーで、予想外の展開と深いメッセージが詰まっている魅力あふれる一冊!
☆社会問題、衝撃的、中毒性あり、引き込まれる、読みやすい、共感する、ハラハラ・ドキドキ、心打たれる、ためになる、切ない、考えさせられる、不安、謎解き要素、深い、満足感、いじめ、現実とリンク、胸が締め付けられる、友情
(あらすじ)
1つ目のお話の『見て見ぬふり』。
主人公の松木冬樹は、クラスメイトが、ひどいいじめを受けているのを見て、何とかしなければと思う気持ちに駆られる。
勇気を振り絞り、職員室へ向かい、担任の先生に報告するが、先生の無関心な反応に冬樹は大きな失望を感じる。
それでも諦めきれず、冬樹は先輩に相談することに決めた。
すると、先輩は加害者たちを実名でTwitterに晒すという過激な行動に出てしまい…
この作品には、6つの短編が収められている。
そして全篇に、驚きの大どんでん返しが待っている!
(主な登場人物の魅力)
『見て見ぬふり』のみ
・松木冬樹
主人公。
高校一年生。
過去のトラウマから、クラスのいじめに立ち向かう決意を持つ。
・三ツ谷
冬樹のクラスメイト。
現在いじめのターゲットになっている。
・石澤
冬樹の担任。
いじめを見ても何もしない。
冬樹に失望を与える。
・古島大介
いじめの中心人物。
(舞台と世界観)
一つ目のお話の『見て見ぬふり』の舞台は都立新明高校だ。
物語は主に教室で展開されていて、青春の真っ只中にいる高校生たちが直面する現実的な問題、特にいじめや正義について描かれている。
友人や先輩、教師との関わりの中で、自分の正義や立場について悩み葛藤する。
(ページをめくりたくなる展開)
一つ目のお話『見て見ぬふり』では、教室でのいじめに立ち向かう主人公・松木冬樹の奮闘が描かれている。
冬樹は勇気を振り絞って担任の先生に報告するが、思わぬ反応に失望する。
しかし冬樹は諦めずに先輩に相談し、状況は意外な方向へ進んでいき、ハラハラドキドキが止まらない!
この作品には6つの短編が収められていて、どれも驚きのどんでん返しが待っている。
いじめや自殺、SNS、麻薬、ストーカー、殺人、そして刑務所といった、社会問題が描かれていて、一見すると、こうした問題は自分とは関係のないことのように思えるかもしれない。
しかし、実際には誰にでも加害者や被害者になる可能性があるということを示していると感じた。
読み進めるうちに、衝撃的な真実が明らかになり、社会の現実について再考させられる。
どんでん返しの面白さを楽しみながら、たくさんのことを学べる一冊で、ページをめくる手が止まらなくなるだろう。
(ひとこと)
👧どんでん返しがとても面白かったです。
それまでの見方が、一気に変わる瞬間の衝撃は癖になります。
タイトルの意味が理解できて、スッキリ大満足です!
・幻冬舎
・電子書籍(Kindle版) (2025/5/9発売)
・単行本 288ページ(2023/8/23発売)
・文庫本 304ページ (2025/5/9発売)
・オーディオブック(Audible版)7時間5分 ナレーター(兼政 郁人) (2024/4/26配信)Audible Studios・幻冬舎/制作
※Audible会員は定額聴き放題
こちらもオススメ!
下村敦史さんによる『同姓同名』もオススメ!
同じ名前を持つ人たちがある事件をきっかけに、誤解や偏見に苦しみながらも立ち向かい、自分を取り戻す姿が描かれた感動のミステリー!
現代社会の脆さや、情報の危険性について考えさせられる一冊です!
⑤『迷うな女性外科医』
中山祐次郎(著)

迷うな女性外科医 泣くな研修医7 (幻冬舎文庫)
☆医療小説
☆「泣くな研修医」シリーズ7
☆カバーイラスト 石山さやか
☆カバーデザイン bookwall
☆クールな女性外科医・佐藤玲が、新人時代に尊敬していた恩師との再会を通じて成長し、命の重みや人間関係の葛藤が描かれた医療小説
☆医療系、衝撃的、意外性、引き込まれる、読みやすい、共感する、心打たれる、恋愛要素、切ない、応援したくなる、胸キュン、不安、頼もしい、クスッと笑える、思いやり、忍耐、現実とリンク、尊敬、涙がこぼれそうになる、悔しい、憧れる、胸が締めつけられる、紳士的だ、誠実、感情移入する、心温まる
(あらすじ)
佐藤玲は31歳の女性外科医で、日々手術に没頭し、業務に情熱を注いでいる。
過酷な日常にもかかわらず、佐藤はその情熱を失うことなく、患者に向き合っている。
しかし、ある日、佐藤は新人時代に憧れた優れた外科医、東凱慎之介の主治医を任されることになる。
東凱は直腸癌のステージ4という深刻な病を抱えていた…
医療の現場で直面する現実と向き合いながら、佐藤の奮闘と葛藤が描かれる物語。
(主な登場人物の魅力)
・佐藤玲
主人公。
31歳の女性外科医。
美しくクールな性格。
日々忙しい医療現場で情熱を持って患者に向き合っている。
ある日、彼女が憧れの外科医である東凱の主治医を任される。
東凱は、直腸癌のステージ4という重い病を抱えていて、これが佐藤玲にとって大きな試練となり、彼との再会は特別な意味を持つ。
(舞台と世界観)
現代の医療現場が舞台で、牛ノ町病院(市中病院)、外科医のリアルな生活が描かれている。
主人公の佐藤玲は、女性外科医で、多忙な日々を送りながら患者に向き合い、命の重みや医療の現実について考えさせられる展開が繰り広げられる。
彼女自身の成長や葛藤が鮮明に描かれ、医療現場での人間ドラマが深く感じられる一冊。
(ページをめくりたくなる展開)
今巻は、女性外科医の佐藤玲が主人公。
佐藤玲は、美しくクールな性格で、忙しい日々を送りながらも手術に情熱を注いでいる。
ある日、彼女が新人時代に、お世話になった憧れの優秀な外科医・東凱慎之介の主治医を任されることになる。
しかし、東凱は直腸癌のステージ4という深刻な病を抱えていた。
佐藤はこの試練にどう立ち向かうのか?
尊敬する東凱との再会は、過去のさまざまな想いが蘇り、切なさを噛み締めながらページをめくる手が止まらなくなるだろう。
また、佐藤玲の両親の様子も描かれている。
親子の関係に共感を呼ぶエピソードも盛り込まれていて、胸が熱くなる内容だ。
命の重みや恋愛、女性外科医としての生き方を考えさせるテーマが詰まった一冊で、あっという間に読み終える面白さだった。
(ひとこと)
👧クールな佐藤玲にも、こんなに初々しい時代がやはりあったのですね。
その意外性に驚きました。
恩師との関係は、本当に胸が痛むもので、彼が良い人だけに、その辛さは一層強かったです。
佐藤の成長や、人間関係の深さを考えさせられる内容で、共感できる部分が多かったため、とてもインパクトの強い作品でした。
・幻冬舎
・電子書籍(Kindle版) 229ページ (2024/12/5発売)
・文庫本 288ページ (2024/12/5発売)
・オーディオブック(Audible版)6時間19分 ナレーター(間瀬 愛季) (2025/4/25配信)Audible Studios・幻冬舎/制作
※Audible会員は定額聴き放題
おわりに

今月は、14冊の本を読み、その中で特に面白かった5冊をご紹介しました。
いかがでしたか?
ご紹介した中で、冬馬倫さんは初めて読む作家さんでした。
私の大好きな医療系の物語と、装丁のイラストにひかれて手に取りました。
『宮廷医の娘』はシリーズもので、まだまだ先が楽しめるのが、嬉しいところです。
シリーズものといえば、中山祐次郎さんによる「泣くな研修医」シリーズもそうですね。
今巻のタイトルは「迷うな女性外科医」で、毎回主人公の雨野の先輩外科医、佐藤玲が中心となるキャラクターとして描かれていて、彼女のまた違った一面を知れたことで、今後の印象がかわっていくことでしょう。
今後もぜひ、続編の発売を期待しています!
これからもたくさんの作品に触れて、面白いと感じた本だけをご紹介していきます。
私が紹介した中から、次に読みたい一冊が見つかればとても嬉しいです!
あなたの新たな読書への旅がこころ豊かなものとなりますように。

それでは、
またお会いできる日を楽しみにしています!
お付き合いいただき、ありがとうございました。