本屋大賞を受賞した作品で
ネットでもよく紹介されているよね!
面白いけど、重い内容です。
読後はあることの実態をより理解したくて、いろいろ調べてみたり…
かなり影響を受けましたよ。
自分にできることがあれば、力になりたいと奮起する内容だよね。
タイトルの意味が、文中で説明されているのでテーマと結びつき、スッキリします!
満足度の高い読後感を味わえますよ。
では、あらすじと感想をご紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
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あらすじ
町田そのこ(著)「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。注目作家・町田そのこの初長編作品!
『52ヘルツのクジラたち』
中央公論新社
Amazon 商品ページより
長編小説。
過去の記憶を回想しながらストーリーが進んでいきます。
主人公の三島貴瑚さんは、幼少期から虐待を受け、親からの愛をほとんど知らずに成長しました。
大人になった現在も心に深い傷を抱えています。
果たして、彼女は暗いトンネルを抜けることができるのでしょうか?
ラストでは、希望の光が射すのかどうか、
絶望的になりながらも、ページをめくる手が止まりません!
感想(ネタバレ)
内容にやや踏み込んだ感想となります。
良かったらお付き合いください。
注目したいメインキャラを3人ご紹介!
①現在は大分県の小さな海辺の町で一人暮らし(26歳)
②町では、訳ありな人が来たと噂される
③お腹に包丁で刺した傷
三島貴瑚さんは実母、義父、義弟の4人暮らしでした。
彼女は幼少期から実母や義父からの虐待を受け育ちました。
その様子は傷ましく怒りに震えることでしょう。
一方、貴瑚さんとは対照的に溺愛される義弟がいます。
その顕著な差は絶望感を増幅させ、印象深く残りました。
虐待を受ける彼女を見て育った義弟もまた
悪影響を受けているはずです。
彼もある意味、被害者といえるでしょう。
やがて貴瑚さんは高校3年生になり、就職先が無事に決まります。
新しい生活に夢を馳せる彼女。
しかし、その直後に義父が難病を発症してしまい、付きっきりの介護が必要となりました。
貴瑚さんは就職を諦め、3年間、介護に専念することになります。
睡眠を削り、懸命に介護をするも、義父の容態は日に日に悪化していきました。
貴瑚さんはこの時、すでに心も体も限界状態でした。
そこへさらなる追い打ちが苛立った母からも加えられ、
貴瑚さんのその後が心配です・・・
①貴瑚さんのいつも心の中にいる人
②とても親切で、欲しい言葉をくれる人
④曖昧な話し方をするところがある
③小学生の塾の講師
貴瑚さんにとってかけがえのない存在です。
アンさんは人の苦しみや悲しみを理解できる、優しい人です。
その理由は、後々分かってきます。
衝撃的で、胸が締め付けられる場面です!
①口がきけない13歳の子供
②綺麗な顔立ち
③貴瑚さんは、自分と同じ匂いがすると感じます
貴瑚さんと、この子の最初の出会いの描写が印象的でした。
2人は出会うべくして出会ったのではないでしょうか。
この子もまた、母親から虐待をうけています。
母親の過去を知ると、少しは同情の余地はありましたが
そもそも子供は親の所有物ではありません。
母親の身勝手さ。
人間とは思えない言動に怒りを覚えます。
一般的に子供は、親の虐待行為を隠したがる傾向にあるようです。
そうなれば尚更、発見しづらいでしょう。
SOSと助けを求めてきたこの子の勇気ある行動に、一時的な安心はしましたが・・・
実際にこの状況に置かれたら
どうするべきなのか。
とても参考になりますよ!
特に感動したところ(ネタバレ)
貴瑚さんが、あの子の本当の名前を呼んだ瞬間には感動しました!
名前を呼ぶタイミングを慎重に見計らい、辛抱強く待っていました。
その時がついに訪れたと感じ、鳥肌が立ちました!
やっと彼の本当の名前が呼ばれたことに感動したよ。
その瞬間は本当に心に響きました!
涙がでてくるほど感動的な場面でした。
ぜひ、その感動を存分に味わっていただきたいです!
まとめ
①できれば避けて通りたい問題を、作品を通して学べたところ。
②人物の心理描写が細かいので感情移入しやすい。
②窮地を脱する方法、過程を学び、共に前進している感覚を味わえるところ。
③著者からのメッセージがまっすぐに届き、読後の満足度が高い。
悩みは一人で抱えるよりも、
声を上げて助けを求める方がいいということは、
全ての人に当てはまると思うんだ。
大なり小なり、誰もが抱えることがあるのですから。
また、救う側の人も、いつかは自分が当事者になる可能性があるということも理解すべきことです。
そして、周囲の人が異変に気づいた際には、
小さなことでも手を差しのべる勇気をもつことが大切ですね!
無理のない範囲で相手を助けられることがあるはず!
この作品は学びの多い、素晴らしい作品です。
一人でも多くの人に読んでいただきたいと、心からおすすめします!
ここまで読書好き主婦「ちみるのひとりごと」におつきあいいただきありがとうございました!
また素敵な作品に出会えましたらご紹介しますね。
ではまた。
著者の紹介
町田そのこ(著)町田そのこ
1980年生まれ。
福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。
2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。
他の著作に『ぎょらん』『コンビニ兄弟ーテンダネス門司港こがね村店ー』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。
本作で2021年本屋大賞を受賞した。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)。
『52ヘルツのクジラたち』
中央公論新社より
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※2023年に映画化も決定されています!どなたが演じられるのか楽しみですね!