近未来を想像させる
内容だった。
うん。
小説の世界だと分かっていながら不安を煽られたよ。
さすがは東野圭吾さん。
脳裏から離れません。
メッセージ性が強くインパクトのある作品でした。
では、あらすじと感想をご紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください !
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こんな人にオススメ!
- 東野圭吾さんのファンだ
- 空想科学ミステリが好き
- 冒険ものが好き
- AI に興味がある
あらすじ
AIによる監視システムが強化された日本。
指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。
「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」
不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる。
東野圭吾(著)
『魔女と過ごし七日間』
角川書店
表紙帯より
長編空想科学ミステリ。
内容が盛りだくさんで、読み応えがあります!
ひとつの事件を多方面から捜査していくよ。
それが綺麗にまとまり完結するところが面白いです!
感想(ネタバレ)
ここからは内容にやや踏み込んだ感想となります。
良かったらお付き合いください。
今作はラプラスシリーズの3作目。
他2作は、未読の上での感想となります。
ご了承ください。
メインキャラは4人。
①中学3年生
②細い身体 精悍な顔立ち
③放課後、図書館へ寄るのが日課(冒険小説が好き)
④父と二人暮らし(母は6歳の頃病死)
⑤父は元警察官
①陸真の同級生
②太っている
③親切で物知り
④小説家志望(ネタを探している)
①数理学研究所の職員(知能に関する最先端科学を研究)
②小柄で謎の多い美人
③不思議な能力の持ち主
④気が強い
たった一人の家族(父親)を失った陸真くん。
遺体の状態から事件性があることを知ります。
円華さん、陸真くん、純也くんの三人は、真相を突き止めるため協力しあい共に行動します。
不思議な能力を持っている円華さんは、とても頼りになる存在です。
美人で頭の切れる彼女の魅力に、誰もが虜になることでしょう!
そして中学生には刺激的な冒険が待ち構えています。
ハラハラドキドキとした緊張感を味わえましたよ!
陸真くんのあれを、ぜひ見てみたいです・・・
①警察官
②自分の立場は顧みず意思を貫くタイプ
③羽原円華に興味を持っているようす
彼は、陸真くんたちとは
別の方向から事件の真相に迫ります。
調べていくうちに見えてくるあれこれ・・・
警察内部に不穏な空気が漂うところにも興味をそそられます。
やがて驚愕の真実に辿り着くわけなのですが・・・
まさか、あの人が犯人だったとは!
確かに、始めから好印象は持ってなかったけどね。
更にフィクションでありながらも、近未来を予測しているかの内容にぞっとしました。
便利な世の中になることは大歓迎。
しかし漠然とした不安がつきまとうのも事実ですね。
感想を簡潔にしますと・・・
- メッセージ性があり、AIが浸透する世の中、個人情報の扱いなどに警笛を鳴らしているかも?
- 中学生二人の友情がさらに深まり心温まる。
- 不思議な円華さんの存在、説得力のある言葉に打たれ、身が引き締まる思い。
このように
色んな要素が合わさった満足な一冊でした!
刺さった言葉(ネタバレ)
「陸真の代わりなんていないと思う。
少なくとも、僕にとってはそうだ・・・」
東野圭吾著
『魔女と過ごした七日間』
角川書店
本文より
刺さりました!
自己嫌悪に陥っている陸真くんに対して、親友の純也くんが発した言葉です。
そもそも彼が、陸真くんに近づいてきた理由には、少し気になるところがありまして・・・
実は計算高い子なのかも?
と、少し警戒してたので、余計に染みました!
言葉がけひとつで、人の行動は左右されますよね!
心優しい純也くんのことです。
もしかしたら、気を遣って言っただけなのかも知れません。
あるいは、本当にそう思い、言葉になって出たのかは不明です・・・
どちらにしろ自信を失いかけていた陸真くんは、この一言に救われたと思います。
それだけ言葉の力は大きいですよね!
とても心に響いた一文でした。
まとめ
さて、ここまで読書好き主婦「ちみるのひとりごと」に
おつきあいいただきありがとうございました。
技術進歩の早さに頭がついていかない今日このごろ。
これから更に、AIに支配される世の中になっていくのでしょうか。
確かに便利でメリットもたくさんあるでしょう。
しかし、失われているものもありますよね。
そして国がどこまで個人情報を管理し、どのように扱われるのか、不安が残ります。
希望溢れる未来を望むのであれば、自分の頭でよく考え、納得した上で行動に移したいものです。
現代社会に興味関心を持たせる素晴らしい作品だと思います。
面白くてためになった満足な一冊!
心からおすすめします!
著者の紹介
東野圭吾著東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪府生まれ。
85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。
その他の著者に『ラプラスの魔女』『魔女の胎動』『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』『白鳥とコウモリ』『透明な螺旋』『マスカレード・ゲーム』など多数。
『魔女と過ごした七日間』
角川書店より