青山美智子さん【おすすめ小説 ! 】『月の立つ林で』(感想)鳥肌が立つほどの感動作です !

ちみる
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こんにちは
読書好き主婦 ちみるです。

お知らせ

当ブログでは、私が「これは面白い!」と感じた本だけを、読後の感想と共にご紹介しています。(例外あり)
本のジャンルは問いませんが、特に話題作や有益な本、心温まる本を多く取り上げています。

あなたの素敵な一冊との出会いをお手伝いできたら幸いです。

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それでは今回ご紹介する本は
青山美智子さんの
『月の立つ林で』
です。

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全五章からなる連作短編小説。

各章の主人公たちは、同じポッドキャストを聴いています。

日々のつまづきや、苦境を乗り越えながらも前進し、自分自身を見つけていく様子が描かれていました。

終盤に仕掛けられた衝撃の事実や、見えない繋がりに心を揺り動かされ、その意味について考えさせられる感動作!

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それでは、あらすじと感想をご紹介していきます。

ぜひ最後までお付き合いください!

あらすじ

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく―。

青山美智子(著)
『月の立つ林で』
ポプラ社
本の帯より

感想(第一章のみ)

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ここからは内容にやや踏み込んだ感想となります。


大丈夫な方はどうぞお進みください。

怜花(ネタバレ)

主人公である怜花れいかは、40歳過ぎの元看護師。



とても真面目な性格で、人のためになりたい!という思いを強く持っている。


しかしそれでもなお、その手応えや、答えを見つけられずに悩み続けてきた。

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そしてある日、彼女が人のためにした行動が裏目に出てしまう。

彼女は自信を完全に失ってしまい、退職


長年のキャリアを捨てる勇気を持つほどの重要な決断であったことが窺える。

実家暮らしだから困らないし。その通りだった。私は恵まれている。
でもそのことが、いっそう私を苦しくさせた。
良い身分だね、と言われているみたいで。

青山美智子(著)
『月の立つ林で』
ポプラ社 本文より

怜花は実家暮らし。

真面目であるがゆえに、特に仕事を持たない現状において、肩身の狭い思いをしているようす。


このような怜花の葛藤や思いにきっと共感するはず。

怜花の真摯な姿勢や苦悩に触れながら、わたし自身も自己探求や生き方について考えさせられた。

レッテル貼り!(ネタバレ)

「怜花ちゃん、看護師さんだから安心だわ」
それを言われて、私は口をつぐんだ。

青山美智子(著)
『月の立つ林で』
ポプラ社
本文より

普段から看護師だから!

というレッテルを貼られることに怜花は、苦手意識を持っていた。

決めつけられることは、どんな場面でも不愉快であると同時に、現在の怜花にとっては特に辛いものであると思う。

ちみる
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自分自身に無力さを感じ、その状況下で、他人からの言葉はきつく感じられたはずです。



通常なら笑って聞き流せることも、その一言が重くのしかかってくる。

他人を決めつける不愉快さや、思い悩む人に対しての思いやりを持つことの大切さを考えさせられた。

猫の飼い主の樋口(ネタバレ)

樋口ひぐちは調子がいい人といいますか、いけ好かないタイプ。

半年前に怜花のお隣に引っ越してきた、50代の新婚夫婦だ。

樋口は、猫の飼い主であり、挨拶をする程度の付き合いである。

ところが突然、樋口はある身勝手な理由で、飼い猫を怜花の家で3日ほど預かって欲しいと頼んできた。

台所で母が洗い物をしながら言った。
「突然お友達と旅行だとかって、隣の家に猫を押し付けるなんてちょっとあきれるね」

青山美智子(著)
『月の立つ林で』
ポプラ社
本文より

猫の本能に基づけば、見知らぬ環境に突然置かれることは、かなりのストレスを引き起こすと考えられる。

ちみる
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環境の変化に弱い生き物ですから。


結局、怜花の家で猫を預かることになる。樋口は計画通りに事を進め、調子よく立ち去っていった。


都合のいい使い方をされたような気がして、こういうタイプの人を苦手に思ってしまう・・・

ちみる
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しかし、樋口には別の一面が・・・

人は見かけによらないという言葉があるとおり…

そこにはどんな秘密や苦悩が隠されていたのか?

第一章を読み終えて

驚くべき考え方に気づき、目から鱗が落ちるような感動を覚えた!

その考え方の背後にある理由が、本章の終盤で明らかになる。

それによって、私の人づきあいに対する捉え方が一変した。

今まで面倒と感じていた人との関わりが、苦痛ではなくなっていった。

その理由に触れる部分は感動的でとても心揺さぶられるところです。

ぜひ、そのあたりを意識しながら読んでみて欲しい!

ちみる
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あなたの人間関係を見つめ直すきっかけになるかもしれません・・・

刺さった言葉(ネタバレ)

「竹は地中で繋がっていて、竹林が一本の樹みたいなものなんです」

青山美智子(著)
『月の立つ林で』
ポプラ社本文より

この文章は、私の心に深く響いた。

これは、竹の性質を人に例えているようだが、その奥深さに、ただただ驚きを感じた。



竹は地上で見る限り、一本一本が自立しているように見えるが、実際地中では、地下茎という根で繋がっているんだそう。

これはまさに、人が自分の力だけで生きていると思いがちな姿勢に対して、青山美智子さんが伝えたいメッセージが込められているのではないかと感じた。

私たちは、自分の強さや自立心を大切にすることがあるが、

実際には、誰もがお互いに支え合っている存在なのだと気づかされた。


将来、困難な状況に直面したときに、この言葉を思い出すことだろう。

ちみる
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きっと励まされ、乗り越える力になるはず。

まとめ

私はもともと月を眺めることが大好き。


月はきらびやかなイルミネーションでも表現できないほどに美しい存在だと思う。

その綺麗な姿に心を奪われ、いつまでも見ていたくなります。

そして、2022年11月8日に、運良く鑑賞できた皆既月食は、神秘的な体験だった。

その光景は心に深く刻まれ、今でも忘れることができない。


このような私の背景からか、月がからんだストーリーには特に興味を持った。

読後は、私の思考が変わり、単調な日々がキラキラと明るい気持ちに変わった。


周囲への感謝の気持ちを忘れずに、年を重ねていきたいと思う。

ちみる
ちみる

学びの多い素晴らしい作品です。

この感動を共有できたらと願っています。

とても面白いので、おすすめです。

ぜひ、あなたも読んでみてください


ちみる
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ここまで、読書好き主婦「ちみるのひとりごと」

にお付き合いいただき ありがとうございました!

また魅力的な作品に出会えましたらご紹介しますね。

ではまた。

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