前作の『店長がバカすぎて』は面白かったな~
お腹を抱えて笑ったよ!
ご期待通り、今作も爆笑間違いなしです!
さらに新しいキャラが加わり、武蔵野書店がパワーアップしてました!
では、あらすじと感想をご紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。
張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。
そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。
スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。早見和真(著)
小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
『新!店長がバカすぎて』
角川春樹事務所
Amazon商品ページより
3年ぶりに、待ちに待った山本店長が武蔵野書店へ戻ってきます!
宮崎の異動先での経験を積み、
少しはまともになったのかなと、期待しながら読み進めてください。
店長さんの成長した姿を見せてもらえる
かもしれませんよ?
今作も、山本店長に負けず劣らず、個性的なキャラたちが登場します。
心の準備を忘れずにページをめくることをおすすめします!
感想
内容にやや踏み込んだ感想となります。
良かったらお付き合いくだい。
今回、新たに加わる濃いキャラ2人により、武蔵野書店はますます魅力的になります!
曲者揃いになりました。
山本多佳恵さん
①半月前に入ったアルバイト
②つかみ所がない
③山本店長と何か通ずるものがあるように感じる
④同じ名字や店長に似ている所があることから
山本店長の隠し子ではないか?という噂が立っている など・・・
柏木雄太郎専務(社長のジュニア)
①武蔵野書店 ワンマン社長(柏木雄三)の一人息子(40歳前後)
②どこかのIT企業に務めていたらしい
③視線がヘビを思わせるような黒目がちの目(谷原京子さんはこの視線を苦手とする)
④山本店長のヘラヘラした態度にご立腹 など・・・
二人がどう絡んでくるのか楽しみ!
山本店長との一悶着も予想できるでしょう?
一体どんな騒動が巻き起こるのか、想像するだけでもワクワクしますね!
山本猛 新店長
山本店長は今作でも相変わらず人を苛立たせる天才です。
同僚のスタッフたちが哀れすぎます。
彼はズレていますが、人がいいところだけが唯一の取り柄でした。
しかし、今回はその可愛ささえも失われ、
口うるさくて空気の読めない、ただのうざい上司に成り下がっていました。
彼がやる気を出すと、周囲のスタッフたちは疲弊してしまいます。
余計な仕事や心配ごとが増えるだけだからです。
そんな彼らに心から同情します!
でも、店長が本当は切れ者ではないのか?
そんな、におわせる場面が出てきますが
それは真実なのでしょうか?・・・
謎めいた展開がさらにストーリーを盛り上げていくことでしょう!
山本多佳恵さん
山本多佳恵さんのキャラも強烈です。
あの山本店長と意思疎通しているのです。
世の中には、たくさんの人が存在していますから波長が合う人と出会うことも珍しくはありません。
ただ、よりによってあの山本店長ですからね。
同じ職場に2人の変人がいるのは、厳しいですね!
彼女が職場をかき乱す存在であることは否定できませんが、
人は様々な事情を抱えているものです。
彼女のことを知れば知るほど、見た目で判断していた自分を恥ずかしいと感じることも・・・
山本店長にも同じことが言えるのかは別として、彼女との関係性は読みどころでした!
社長のジュニア
社長の息子であるジュニアと、谷原京子さんの絡みも面白いところです。
現社長が2年ほど前に体調を崩したため、
ジュニアが、専務待遇で入社しました。
谷原さんが彼に初めて会った時の感想は、ヤバそう!
彼が派手な高級品を身につけていてまさに六本木っぽい人物だというものでした。
谷原さんの直感は
大体いつも当たるので
嫌な予感がしてしまいます。
果して社長のジュニアは有能なのでしょうか・・・
IT企業で下積みを経験した彼は、
社員に気を配る様子や仕事への情熱、まともな意見を持っているようで好印象を受けました。
山本店長と比較すると
誰もが有能な上司に見えてしまうかもしれませんが・・・
ジュニアと山本店長の会話が噛み合わない様子に呆れたり、
ジュニアと谷原京子さんのある事件で大爆笑したり・・・
その後もう一山、谷原さんが巻き込まれる
悲惨なできごともあります。
ジュニアもまた、周囲を振り回す存在ですが、唯一話の通じるまともな人物かもしれません。
そう感じるのは私だけでしょうか…
刺さった言葉
たとえ、本を買う気がなかったとしても、定期的に通っていただける場所が(武蔵野書店)であるのは本当に光栄なことだ。
街の中にふらりと足を運べる場所として機能することはリアルの書店がネット書店と戦える大きな武器の一つであると信じている。
早見和真(著)
『新!店長がバカすぎて』
角川春樹事務所
本文より
街の書店が全国的に次々と姿を消しているという事実に、非常に残念な思いがします。
時代の変化がもたらす影響が、ここまで明白に現れるとは、現実を突きつけられた気持ちです。
ふらりと立ち寄れる本屋さんは
私たちに心の安らぎを与えてくれる、とても大切な場所です。
リアル書店ならではの良さをいかし、時代の変化に応じながら、
どうか残っていって欲しいと願います。
まとめ
店長の謎が残るだけに、その答えを追いかけたくなる作品です。
特にラストで続編の可能性が匂わされているため、続きが気になってしまいます。
店長のキャラクターについては、読んでいくうちにますますわからなくなるという魅力があります。
山本店長は
今回もたっぷりと楽しませてくれますよ。
この作品はとても面白く、 一気に読んでしまうこと間違いなしです!
ぜひお手にとってみてください。
オススメします!
さて、ここまで読書好き主婦「ちみるのひとりごと」
にお付き合いいただき ありがとうございました!
また面白い作品に出会いましたら、ご紹介しますね!
ではまた。
著者の紹介
早見和真<はやみ・かずまさ>
2008年『ひゃくはち』でデビュー(映画化、コミック化)。
14年『ぼくたちの家族』が映画化。
15年『イノセント・デイズ』が第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞(テレビドラマ化)。
20年『ザ・ロイヤルファミリー』で第33回山本周五郎賞及びJRA賞馬事文化賞を受賞。
同年『店長がバカすぎて』が本屋大賞にノミネートされ、ロングセラーになっている。
近著に『笑うマトリョーシカ』『八月の母』。
早見和真(著)
『新!店長がばかすぎて』
角川春樹事務所より