こんにちは!
読書好き主婦ちみるです。
2024年本屋大賞のノミネート作品が発表されましたね!
本屋大賞とは、2004年から始まり、日本の出版業界で毎年開催されている文学賞の一つです。
本屋で働く書店員の方々の投票によって選定されます。
前年度に刊行された本の中から最も人気のある本を表彰する賞です。
当記事では、それら10作品を私の簡潔な感想と共に一挙ご紹介していきます!
(著者名あいうえお順)
ぜひ、ご一読ください!
目次 閉じる
2024年本屋大賞ノミネート作品10作!
①青山美智子(著)
『リカバリー・カバヒコ』(光文社)
全5話からなる連作短編集。
都市伝説である公園のカバの遊具が、悩みを抱える主人公たちの自己成長のサポートをするお話。
心温まるストーリーと優しい文体が魅力的です。
主人公たちの勇気に感動し、自分自身の問題に向き合うヒントを得るかも・・・
心に安らぎをもたらす作品😊
②小川哲(著)
『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)
著者の独特な視点から人間の心理を描いた連作短篇集。
才能に焦がれる作家が、自らの承認欲求を痛感しながら歩む物語。
彼の周りには、嘘を重ねて生きる人物たちが存在し、それぞれの心の内が明らかになっていく。
彼らの姿から、主人公は自らの欲望と向き合うことになり、彼らと自分は何が違うのか?という問いが浮かび上がる…
小川哲さんをテレビで拝見したとき、彼の独特で哲学的な思考に強い印象を受けた。
この作品は、彼が大切にするこだわりが随所に感じられた。
深い洞察を通じて、さまざまな視点から物事を考える楽しさを味わうことができた。
特に、「嘘」をテーマにした展開が興味深く、さまざまな心理や人間の複雑さを探る仕掛けには引き込まれた。
個人的に、主人公の高校からの友人、轟木の人を見抜く鋭い直感力には、尊敬の念を抱いた。
この作品は、痛みや滑稽さを伴った人々の心理をユーモラスに描きつつ、承認欲求や嘘が絡み合う複雑な人間関係を描出している。
著者の独特な視点と鋭い洞察力は、作品にのめり込む力強さを持っている。
単なるエンターテインメントに留まらず、人間理解を深めるための良い教材にもなるかも。
癖になる面白さだ。
③川上未映子(著)
『黄色い家』(中央公論新社)
主人公の花ちゃんが、苦労を重ねつつも、普通の生活を続けるために犯罪に手を染めてしまいます。
彼女の悲しい選択に心が痛みました・・・
生まれた環境の影響が明確に描かれていて、花ちゃんの運命に共感し、応援したくなりました。
人の人生ってなんだろうかと考えさせられた作品。
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④塩田武士(著)
『存在のすべてを』(朝日新聞出版)
ヒューマン、ミステリー小説。
この物語では、二人の子供が同時に誘拐される事件が中心となり、その背景にはさまざまな複雑な事情が絡んでいる。
予期せぬ出来事が展開し、物語は切迫した状況へと進んでいく…
また、この小説は家族とは何かという問いを深く掘り下げている。
絆や愛情が描かれ、強い感情を呼び起こす。
特に、あるシーンでは共感を強く感じ、胸が張り裂けそうになり泣いた。
著者は 最後の1行で、かすかな救いを感じさせつつも多くの疑問を残し、読者に想像を促すようなスタイルをとっている。
ある人物の行方が気になり、この不安感が作品にさらなる深みを与えているように感じた。
写実絵画も重要なポイントで、思考を深めるきっかけを提供してくれる。
ミステリー小説としての緊張感と家族愛の深さが交錯する心に響く物語。
果たして亮くんは、そのことに気づいているのだろうか…
⑤多崎礼(著)
『レーエンデ国物語』(講談社)
ファンタジー長編小説!
ストーリーは異世界の聖イジョルニ帝国からスタート。
貴族の娘ユリアと英雄の父ヘクトルが呪われた地・レーエンデで出会った射手トリスタンと共に旅に出る展開。
登場人物たちの勇気や冷静さ、仲間意識、恋愛要素、緊迫感など、様々な感情が交錯する描写に魅了された。
最後まで手に汗握る展開で、続編への期待も高まる。(※続編はまだ未読なので、ストーリーの続きなのか、一旦ここで完結しているのかは不明)
読後、父と娘の走り去る姿が、いつまでも脳裏から離れてくれず・・・
放心するほどの内容を楽しむことができた作品。
⑥知念実希人(著)
『放課後 ミステリクラブ』(ライツ社)
知念実希人さんによる児童向けミステリ小説。
メインキャラたちの個々の強みを活かし、学校で起こる不思議な事件に挑戦し、謎を解き明かしていく。
名探偵役の辻堂天馬(つじどうてんま)くんの推理は見事で、読み手を引き込む力に満ちていた。
子どもたちに読書の楽しさと謎解きの喜びを感じさせてくれるでしょう。
著者は多くの読者から支持を受ける人気ミステリ作家。
この作品でも、その実力を存分に発揮されている。
子供たちだけでなく大人も楽しむことができます。
謎解きのプロセスやストーリーの感動的な場面まで、わたしたち読者を魅了する要素が満載でした。
論理的な展開と、巧みな伏線が散りばめられ、知的なエンターテイメントを提供してくれる作品。
⑦津村記久子(著)
『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)
理佐(りさ)18歳と律(りつ)8歳の姉妹が出会った、しゃべる鳥のネネを通じてこのストーリーは展開されます。
登場人物たちの40年にわたる生活の軌跡が丁寧に描かれ、特別大きな事件はないけれど人間関係や善意、成長と変化といったテーマがぎゅっと詰まっていた。
家出した姉妹は、人々との出会いを通じて成長し、親切と繋がりが重要なテーマとして描かれている。
読み手に勇気と温かさを届けるストーリーで、登場人物たちのその後の人生まで気になってしまうほど引き込まれた。
穏やかなストーリーテリングとヨウム(鳥)のしゃべるネネが、場を和ませる可愛らしさが心地よい響きを与えてくれる。
親切の連鎖や人々との繋がり、人間の温かさが読み手に幸せな気持ちをもたらしてくれる心温まる作品。
⑧凪良ゆう(著)
『星を編む』(講談社)
2023年本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』のスピンオフ作品。
『星を編む』は、前作の感動を引き継ぎながら、さらに深化した愛と人間模様が描かれていた。
ストーリーの中で登場する、北原先生や編集者たちの熱い情熱、そして新たな愛の形が描かれる展開には、心揺さぶられた。
前作のスピンオフを読むことで、謎や感情が解決され、ストーリーが完結する喜びを味わえた!
著者の緻密な描写や、登場人物たちの成長に触れ、人生の喜びと苦しみを共に感じられ、もう、大満足です!
今年の本屋大賞ノミネート作品に選ばれたのも納得です。
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⑨夏川草介(著)
『スピノザの診察室』(水鈴社)
主人公のマチ先生は、京都の地域病院で働く医師として終末医療に取り組む姿を描いた感動作、全4話。
マチ先生は、過去のある経験から、大学病院から地域病院に移り、生の意味に向き合い、患者の安心を第一に考える姿勢が描かれている。
終末医療や人間の尊厳、生きる意味などについて考えさせられ、切ない場面もある一方で、希望と温かさを感じさせる。
彼の周囲のスタッフの人間味あふれる姿や、終末医療に関わる深いテーマが心に深く響いた。
マチ先生の心温まる姿や、医療現場での奮闘、患者への思いやりから、共感を呼び起こし、自身もこのような素晴らしい医師に出会いたいと思わずにいられない。
花垣先生とのお互い信頼し合った関係性もいい。
南先生とのことも気になります・・・
⑩宮島未奈(著)
『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)
全六編からなる連作短編、青春小説です。
主人公、成瀬あかりの活躍を通して、青春の輝きや、信念を貫く孤高の存在としての魅力が描かれていました。
彼女は、変わり者でありながら我が道を行くパワフルさと、頭の良さを持ち、さまざまな挑戦に立ち向かう姿にみるみる引き込まれていきました。
一方で、周囲とは異なる存在である彼女が、内に秘める意外な人間性に触れることも…
成瀬あかりの、奇抜なアイデアや行動力、そして彼女を支える幼なじみとの友情がストーリーに深みを与えてきます。
独自の価値観や彼女が目指す未来に向かう姿勢は、読み手の内なる勇気を沸き立たせてくれるでしょう。
成瀬あかりの魅力に触れながら、情熱的な青春の世界を体験できる作品。
以上、10作品の紹介でした。
おわりに
ここまでお付き合いいただき有り難うございました!
いかがでしたでしょうか?
本屋大賞の発表は2024年4月10日(水)の予定です。
さて、どの作品が大賞に輝くのでしょうか。
楽しみですね!